地方文化研究所の理念

 現代のような物の溢れた中で忘れ去られようとしている物の中には、多くの農民また庶民がその土地で生活し、喜び、悲しみ、土を耕し、竹を切り、炭を焼き、魚を捕った歴史が、そして文化が、実は生々しくのこされていると思います。世代を超えた記憶をなんとかこの世に、未来に残して行かなければ、日本の伝統や文化もまた失ってしまうのではないでしょうか?

 私たちは、今まさに危うい立場にある伝統や文化を未来に残していきたいという気持ちで活動をしています。
折しも近年の幾たびかの震災や台風による日本の被災地には、たくさんの文化財が被害を受けて失われ、また、はからずも捨てられているという現状があります。
国の特別史跡のお城や国の重要文化財である建物はいずれ修復されるでしょう。災害はもちろんですが、ただ古いからというだけで消滅の危機に瀕しているのはむしろ、地域の小さな資料館・博物館や個人の努力で守られてきた未指定の文化財です。

 私たちが活動の一つとしている「文化財Wiki」は、その失われていく物をどうやって残すかという答えの一つです。

 私たちは、これからも消滅の危機に瀕している有形・無形の文化財を守るためにどうすればいいのか、そしてどのような活用が出来るかを考えていきたいと思っています。

2016年4月10日

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